ニッポン放送取締役の賠償責任

日本の権力者は、自己の賠償責任について全く認識がありません。(公務員の過度の匿名性は、高級公務員の堕落の原因です。私は、猟官制について述べたときにふれましたが、公務員は、高級公務員と下級公務員に区分し、高級公務員は猟官の対象にすべきであると考えています。猟官制は、腐敗の温床ではなく、民主主義の前提です。猟官制については、宗門を変革する方法-猟官制(スポイルズシステム) blog安芸ねっとwebry/ウェブリブログ


権力が悪を行うのは当たり前です。旧社会党土井たか子さんの蹉跌は、悪のない社会、悪のない人間がさも存在し得るとの虚偽にたって、悪のない社会・人間を求めたことです。彼女自身、秘書給与で不正をしていました。(もっとも、私は国会議員の秘書給与制度自体がナンセンスであったと思います。働くものの人権とかいう観念に縛られていたのでしょうが、私は、国会議員1人当たり秘書給与5000万円支給という総額のみきめて、それで1人の秘書を雇っても20人の秘書を雇っても良い制度にしておくべきであったと思います。そもそも、議員活動費として、国会議員1人当たり、2億円か3億円支給して、国会議員の給料に使おうが、秘書の給料に使おうが、事務所借り上げ費や購入費に使おうが、パソコンの購入費に使おうが、通信に使おうがすべて自由にすればよいと思います。言うまでもないことですが、給料に使えば、給料を貰った者が、所得税を国に支払う(納税する)のは、当然です。)朝鮮問題に端的に表れていますが、すべて正義の国やすべて悪の国があるわけがありません。小学生の子どもでも知っています。すべて正義との虚偽を主張した土井たか子さんは、北朝鮮拉致問題で日本人の安全を売るという国家の根幹を否定する犯罪を犯したのです。(拉致犯罪の幇助―刑法上の犯罪として立件するには間接的ですが、土井たか子さんは政治家としての責任を負うべきです。)


会社の取締役も権力者です。悪いこともするでしょう。しなければならないこともあるでしょう。しかし、名義書換拒否やフジテレビ株の売却はしてはならない悪です。株式会社制度の根幹を破壊する行為です。ニッポン放送亀渕昭信社長(代表取締役)やフジテレビの日枝久会長(代表取締役)は、経営(代表取締役・取締役会)とともに所有(株主)も手に入れたかったのならば、社会を成り立たせている根幹のルール次元で喧嘩をするのでなく、それ以前に手練手管を尽くすべきでした。鹿内家を追い出した日枝久会長のワルは、中途半端だったのでしょうか。西武の堤義明さんが有価証券報告書虚偽記載で批判されていますが、名義書換拒否は、それ以上の制度破壊です。名義書換拒否は、裁判所に株式の名義書換権不存在確認の仮処分(このような訴えが可能か詳しく検討していませんが、名義書換差止めの仮処分なら可能のように思えます)を求めて、白黒をつけなければなりません。


いずれにせよ、手続きを踏まずに名義書換拒否やフジテレビ株の売却をすれば、最終的にはニッポン放送の取締役達は、ライブドアが受けた損害を賠償する責任を負うことになります(100億円の単位になるでしょう)。ニッポン放送亀渕昭信社長は、このことを十分自覚して行動しなければなりません。


追記:名義書換拒否の問題は、どちらを一応正しいとして処理していくかという問題です。国家権力の場合は、一応行政が正しいとして物事を進めていく仕組みになっています。昔は、お上意識の表れでしたが(ドイツ法で濃厚です)、現代でも、市民(国民)の中に狂った人間はいくらでもいますし(土井たか子流の欺瞞はダメです。ダメなものはダメです)、利害は対立しますから(対立を正常な姿と認識するのが民主主義の出発点です)、行政を一応正しいとして進めざるを得ません。余談ですが、行政の優位性を仮のものとする謙虚さが公務員にないから、国民に対しては公金だ公金だといいながら、自分たちの天下り先の確保等に税金を平気でいくらでもつぎ込めるのです。
会社(正確には株主から委任を受けた取締役達)と株主の関係では、株主から委任を受けた取締役(代表取締役や取締役会)と将来の株主の対立で、現在の株主(一部は株式を売却した過去の株主)から受任されたに過ぎない者を、株式名義書換という重要な事柄で、一応正しいとして物事を進めるわけにはいきません。名義書換拒否を会社が一方的にすることを法律改正によって認めることもできません。やはり裁判所を介在させた上でなければ名義書換拒否はできません。株式会社制度が崩壊します。