受験前に不合格通知……住基ネットも人間のミスの危険あり

同志社大学の発表では、工学部の受験生466人のうち、420人分の不合格通知を、先月28日の面接試験の前に、生徒らが通う高校や予備校に誤って郵送したそうです。けしからんことですが、意図的な行為ではないと思われます。うがって云えば、同志社大学では、面接試験は基本的には合否と関係がないのかもしれません。(注1)(私が住基ネットのような個人情報の集積をすべきでないとするのは、このようなミスが必ず発生するからです。住基ネットがインターネットに接続しないシステム設計でも、どんなミスが発生するか分かりません。それと、善意の親切も悪であり、人間はそもそも本質的に悪を好み、悪を働くからです。くわえて、人は、とくに善人ほど、他人を支配する快感に克てないからです。)
テレビの画面を見ていますと、合否の通知を承諾するか否かを記入する受験手続きの文書が写っていました。
広島市では、私立中学受験のおり、本人の承諾を確認しないで自動的に、出身小学校に合否の通知があるようです。止めるべきです。私は、大学・高等学校・中学校どの段階の入試においても、専願と推薦の場合に出身学校に合否の通知がなされるのは当然として、そのほかは、合否結果が、受験生本人(及びその保護者)以外には本人の同意なくして通知されるべきではないと思います。

(注1)情報提供に合意した420人全員に不合格通知を出したようで、単純ミスのようです。私はニュースの概略を最初聞いたとき、420人は、面接前にすでに不合格の判定を下されており、残りの合格候補者を面接で最終チェックをしているのかと思っていました。制度をつくるときは、ミスが必ず発生するとの前提で構築しなければならないことを、教えています(fail-safe)。このことと、人間は悪だから個人情報の集積はすべきでないというのは別次元です。(3月3日追記)